【ディサービス日記】増やしていく きれいな彩り

こんにちは。

私は今までにディサービスや特別養護老人ホーム等でボランティアをさせていただいたことがあります。


ディサービスにはいろいろな規模があります。私は市営と私営でやられている施設、2ヶ所でボランティアをさせていただいてきましたが、お客様の人数はどちらも月曜~土曜までで平均して25人くらいでした。



今回も前回に引き続き、舞台は、私営のディサービスです。


私はお客様が送迎でいらっしゃる朝から、帰られるまで丸1日、週3日ボランティアをしていました。


私はこのディサービスでは、朝、お客様がディサービスの席について飲むお茶🍵の用意、お客様のお話相手、食事のお手伝い(介助ではなく)、午後のレクレーションの準備、お手伝い、などを任されていました。




お客様が昼食を食べ終えるまでの時間は様々ですが、食事介助でとても時間がかかってしまう人は5名もいらっしゃらないので、大抵のお客様は食事と午後のレクレーションの間に約1時間、時間があきます。



その時間で私はいろいろなテーブルを周り、お客様とお話をしながら、折り紙などをしていました。



中でも私がよくしていたのは、"希望されるお客様ひとりひとりに色画用紙を配り、木や花や妖精など簡単に折れる作品を一緒に作って、それを色画用紙にはりつけて、作品を作る"というものでした。



今日は、その作品に関係する、印象に残っている出来事を書きたいと思います。






その日もいつものように昼食を済ませてから、テーブルの上で折り紙工作が始まりました。
別のテーブルにも希望者はいてくださり、あっちのテーブル、こっちのテーブルで、楽しい折り紙の作品作りは始まりました。




お客様と一緒に、木や花や、妖精などを順番に作り、お客様は前の日に私が作っておいた見本のようなものを参考に色画用紙に作った作品をノリで貼っていきます。


同じものを作っても、折り紙の色はもちろん、貼る位置も、妖精の目も違い、十人十色の素敵な作品ができました。



お客様、みなさん嬉しそうに満足気な表情でした。




そして、午後のレクレーションがはじまり、、


事の発端は、レクレーションが終わって、お客様がそれぞれの椅子に戻ってしばらくした時に起こりました。

青ざめた表情の幸子さん(仮名)は持ってきたかばんを膝の上に置き、

『ない🥲』独り言のように仰られた声はすぐ隣のテーブルにいた私にも聞こえ、私は席を立ち、

『何がないのですか?』と幸子さんの前にしゃがみこみ、目線を合わせて尋ねました。


『さっきの折り紙の😨』

そう答える幸子さんは、今にも泣き出しそうな顔でした。


私が予め作った見本のようなものを渡したら、いいのか、、、でもそれが正しいのかもわかりませんでした。


私はさっきまで座っていた席に戻り、どうしようか、、、と考え始めたや否や、

その時に幸子さんの真向かいに座っていらっしゃったお客様が立ち上がり、私が座っているテーブルまでいらっしゃると、

『幸子さんが折り紙を無くされて、困っていらっしゃるから、作りたいの』と。




え?

驚きましたが、言ってきてくださったお客様も一緒に作っていて、持って帰り、家族に見せるのが楽しみな幸子さんの気持ちを汲み取ってのことなのでしょう。





お部屋では職員達がホワイトボードに乗る車A.B.C.Dとその下にお客様の名前を順に書いていました。


私が座っているテーブルで、さっきまで一緒に折り紙
をしていたお客様も、『私に折り紙を出して』『折り方を教えて 』の声が、右から左から、前から、聞こえてきました。


それから、皆で幸子さんのために折り紙を折り始めました。

私はなんだか嬉しくなりました。




しかし、職員に見つかり帰りの送迎の話をしているのに、なにごとか、と怒られました。

それからは、静かにバレないように、お客様も私も気をつけながら折り、作品は完成しました。

幸子さんに渡すと、驚かれたあと、とても喜んでくださいました。

お客様みなさんが想った気持ちが幸子さんに通じて、また、嬉しくなりました。




幸子さん、よかったですね。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

またね